[サバティカル]行き先探し

サバティカル
Published

2020/07/05

サバティカルで海外に行く場合,学内での申請に前後して,受け入れてもらえる研究機関を探さないといけません。僕自身は今回,周りに助けていただいて行き先が決まり、苦労していません。でもこの部分を書かないとなんというか納まりが悪いので,行き先を探していた時に際に色々な方からいただいたアドバイスを整理してみます。

一般論

行き先の決め方としては,

  1. 既に知り合いの先生や共同研究者にお願いする
  2. 日本の先生のつてを頼る
  3. 行きたいところの先生にメールを送る

といった感じに分けられるでしょうか。

1つ目が理想なのでしょうが,特に若いうちに行くであろう最初のサバティカルの時点で既に海外の先生と交流がある,もしくは既に共同研究をしているという人は,うちの分野(経営学もしくは会計学)ではあまり多くないと思います(サバティカルを見越してコネを作っておく,というのが重要みたいです)。既に知っている先生なら,きっと行ってからも色々やりやすいと思います。

2つ目は既に海外の先生と繋がりのあるシニアの先生に紹介してもらう,というパターンです。紹介してくださった先生のためにも頑張ろう,って気持ちになりますが,場合によってはプレッシャーになるかもしれません。また,この方法をとった場合,先方があまり乗り気でない場合がありかまってもらえないこともあるという話も聞きました。

3の方法も自分の周りではよく聞きます。履歴書やworking paperなどをいろんなところに送って,受け入れて欲しいってお願いするんだと思います。断られたり無視されたら悲しそうです。応募窓口みたいなのががある大学もあるようです。

どの方法をとるにしても,日本の大学の制度を用いて(給料をもらいながら)行く場合は「費用はこちらで用意するから,給料とかいらんで」っていうようなことをしっかり伝えながら頼むと受け入れハードルが下がるっていうのをどこかで読んだか聞いたかしました。また,少なくとも北米の大学では「サバティカルへの滞在→そのままそこに移籍」というパターンがあるみたいです。そういうこと(ここに転職したいって前提)ではないよ,ってことも場合によっては明確に伝えたほうがいいかもしれません。

その他考えないといけないこと

もちろん,受け入れてもらえればどこでもいいわけではないと思います。その他重要な要因として,

  • 立地・治安 特に家族で行く場合は立地だとか治安だとかが重要です。田舎にある大学に行くか,都会に行くかで生活スタイルがかなり違ってきそうです。 治安に関しては日本ではあまり意識したことがなかったのですが,外国ではかなり気にしなきゃいけなさそうです。今いるDCも「全米トップクラスに治安の悪い都市」みたいなことがネットに上がってて,来る前は怖かったんですが,結局のところ市内でもピンキリでした。夜中にランニングできるところもあれば,明らかに危険そうな地域もあります。

  • 家賃や物価 国ごとの物価水準,アメリカの場合は都市ごとの物価水準は,生活していく上で重要です。日本の大学教員の給料では住むのが苦しそうな場所もあります。 家賃に関しては上の立地や治安とも密接に関わっています。便利で安全なところは家賃が高いです。同じ市内でも危ないと言われている地域は安いです。アメリカの場合保育園(preschool)の料金も立地によってかなり違うみたいです(うちの子が通うpreschoolはフルタイムだと月25万円ぐらいです)。これもまた別の時にでも書きます。

  • 大学に支払う費用 大学によっては客員研究員に対して年間数十万から数百万円の滞在料を請求するそうです(例えばここのプログラムに応募して行くとかだと,1年で300万円以上かかるみたい)。

自分の経験

僕自身は日本の先生に紹介していただいて行き先が決まりました。

まず1箇所目のオーストリア・ウィーン行きが決まりました。オーストリアの先生が学会のために来日した際に話をする機会を作ってもらい,自分の研究の話をし,一緒に研究して欲しい旨伝えて了承してもらいました。ただし滞在していいのは3ヶ月間だけとのことだったので,残りの9ヶ月別の受け入れ先を探すことになりました。

困っていたところ,いつもお世話になっている日本の先生から,アメリカの先生を紹介していただきました。快く受け入れを承諾していただき,2箇所目の滞在地がアメリカ・ワシントンDCに決まりました。

受け入れてくれた先生はどちらも僕からしたらメジャーリーグのスター選手のような人です。最初の頃はメールを送る時,何回も見直しして緊張しながら送っていました(いや,一人はいまもそうです。)

そんな感じで最初の3ヶ月がオーストリア,残り9ヶ月がアメリカというスケジュールになりました。