15 実験的手法と効果検証

Published

2026/07/24

Modified

2026/07/24

0.1 準備

0.1.1 パッケージの読み込み

Code
options(digits = 3)
if (!require("pacman")) install.packages("pacman")
pacman::p_load(tidyverse, ggpubr, here,
car, modelsummary, datarium, dae)

1 実験的手法とは?


調査者が何らかの操作をして行う調査・研究

1.1 例1:治験

参加者をランダムに2つ(以上)のグループに割り振って,片方には新しい薬を,片方には薬ではないもの(プラセボ)を投与して,新薬の効果を検証する

1.2 例2:肥料の実験

同じ場所に並べた複数の植木のうち,ランダムに選んだいくつかには肥料を与え,残りには与えないことで,肥料の効果を検証する

1.3 例3:ABテスト

アクセスしてくる人のうち一定割合に別のデザインの画面を表示し,クリックする先やクリック率等を比較する。(どちらのデザインの方が良いか?)

1.4 例4:従業員の業績評価方法

  • 企業の人事制度の違いが効果をもたらすのか明らかにするため,ランダムに選択された部署のみ業績評価の方法を変えてみる。評価の方法を変えなかった部署と行動の変化を比較する
  • 企業トップのメッセージが現場の従業員の行動に与える影響を見るため,ランダムに選ばれた店舗だけにトップのメッセージ動画を定期的に配信する。メッセージを受け取った店舗と受け取らなかった店舗の行動の違いを比較する (Cronin, Erkens, Schloetzer, and Tinsley 2021)

詳しくは後で

2 実験的手法の特徴と経営への応用

2.1 実験的手法の特徴

実験的手法は,調査者が何らかの介入をして,その介入効果を見るようなもの。そのような特徴から

  • 因果関係を検証できる
  • 実験で検証したい要因以外が調整されているので,堅い証拠が得られる(内的妥当性が高い)

元々理系では実験的手法が中心だったけれど,上記の特徴から社会科学領域でも実験的研究が重視されてきている。2019年のノーベル経済学賞をとったBanerjee, Duflo, Kremerも「世界の貧困を改善するための実験的アプローチに関する功績」

一方で,

  • 実験環境以外でも同じような結果が得られるかはわからない(外的妥当性が低い)
  • 実験で検証できる要因(≒調査者が操作できる要因)しか実験できない
    • 「職場における仲の良さが,仕事に対するモチベーションに与える影響」みたいなのは研究しづらい。
    • 「株式市場の値動き」みたいなのも研究しづらい

2.2 実験研究と因果推論

  • 実験研究と関連して,統計的手法を用いた因果関係の推論(統計的因果推論)が注目されつつある
    • 2021年のノーベル経済学賞をとったCard, Angrist, Imbensの受賞理由は「因果関係の分析への方法論的貢献」
  • 回帰分析は,yを結果,xを原因とみなした因果関係を検証しているように見える(し,多くの場合因果関係を暗に想定している)が,実際に算出しているのは相関関係
    • 逆因果の可能性も否定できない。
  • 実験的な調査方法と組み合わせることで,回帰分析の結果は因果関係と見なせる
    • 他の調査方法で因果関係を証明するためには,統計的に行動な技術が必要
      • 過激派は実験以外では因果関係は証明不可能と主張

3 因果関係と因果推論

3.1 因果関係って?

xがyの原因となる

  • ある薬Aが,病気Zを直す

  • ある広告Bが,売上高Sを高くする

3.2 相関≠因果関係

3.2.1 単なる相関

「国民健康・栄養調査」による年齢別の身長・体重データ

Code
height_weight <- here("data",
"12_height_weight.csv") |> read_csv()

height_weight |>
ggplot(aes(x = Weight_m, y = Height_m)) +
geom_point()

Code
lm(Height_m ~ Weight_m,
data = height_weight) |>

summary()

Call:
lm(formula = Height_m ~ Weight_m, data = height_weight)

Residuals:
   Min     1Q Median     3Q    Max 
-19.02  -6.79   1.33   6.58  12.11 

Coefficients:
            Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)    
(Intercept)  84.7973     2.4348    34.8   <2e-16 ***
Weight_m      1.3391     0.0464    28.9   <2e-16 ***
---
Signif. codes:  0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1

Residual standard error: 7.61 on 60 degrees of freedom
Multiple R-squared:  0.933, Adjusted R-squared:  0.932 
F-statistic:  834 on 1 and 60 DF,  p-value: <2e-16

身長と体重は有意に正の関係がある。

  • 体重が1kg重いと身長が1.34cm高い。

でも,これは明らかに因果関係ではない。

  • 体重が重くなるから身長が伸びるわけではない
  • 身長を伸ばしたかったら体重を重くすればいいわけではない

おそらく単なる相関関係


3.2.2 単なる偶然(擬似相関)

偶然相関があるように見える

人口あたりのチーズの消費量とベッドシーツに絡まって死ぬ人の数


アメリカの科学・宇宙・テクノロジーに対する支出と首吊り,絞殺,窒息による自殺者数


3.2.3 共通の要因がある(交絡)

つまり…

単に相関を計算したり,回帰分析をしただけではx → yという因果関係はわからない。

3.3 因果推論

  • このように,一般に見られる関係には,因果関係のものもあればそうでないものもある。
  • 因果関係を推論することは結構難しい。

3.4 個人レベルで考えると…

仮に薬の効果を知りたいとしたら,薬を投与した人と投与しない人1人ずつのその効果(例えば血液検査の結果数値など)を比べる?

適切な比較はできない

  • そもそもの病状が違うかもしれない
  • 体格や薬で治そうとしている病気以外の持病の状況が違うかもしれない

本来的には薬の効果(薬と症状改善の因果関係)は「同じ人が投与した場合と投与していない場合」を比較しないといけない。

でも,現実に観察されるのはどっちか。薬ありもしくは薬なしどっちかのデータしか取れない。

  • 投与した人の,仮に投与しなかった場合の結果は不明
  • 投与しなかった人の仮に投与した場合の結果は不明

パラレルワールド・タイムマシンがない限り実現できない。反実仮想が必要。

因果推論の根本問題とか言われる

3.5 集団レベルで見ると

たくさんの参加者を集めて,その人たちにランダムに処置(投与するかしないか)を割り振る

  • これによって個人個人の差は平均的に同じになる
    • 症状が重い人軽い人,その他持病がある人ない人,性別などは確率的に均一になることが期待される

ランダムに割り振った集団間の比較をすることで薬の「平均的な」効果を推定することができる

  • ATE (Average Treatment Effect)

3.6 つまり…

  • 個人レベルで見ると因果関係はそもそも検証が不可能
  • 集団レベルでランダムに処置を割り振ることで,平均的な効果の推定を通した因果関係が可能

このことを使って

  • たくさんのデータを使って統計的な分析をすることにより,因果関係を推定する事が可能かもしれない

3.7 経営での応用可能性

  • 経営学研究や経営の実務においても,何かしらの効果を検証したい場合には,実験的手法を思い浮かべると良さそう
    • 実験が可能ならば,実験を
    • 実験が不可能なら,実験に近い設定で検証するにはどんな工夫をすればよいか?

Note参考: エビデンスレベル
  • 根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine: EBM)という考え方の中の言葉
  • 各研究方法から得られる証拠(エビデンス)をその信頼度で分類している
  • 根拠に基づく政策立案(EBPM)や,根拠に基づく経営(EBMgt) (Rousseau 2006) として,経営学を含む他分野でも紹介されつつある
エビデンスレベル一覧(Wikipediaから)
Level 内容
1a ランダム化比較試験メタアナリシス
1b 少なくとも一つのランダム化比較試験 (RCT)
2a ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究(前向き研究、prospective study, concurrent cohort study)
2b ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究 (historical cohort study, retrospective cohort study)
3 症例対照研究(ケースコントロール、後ろ向き研究)
4 処置前後の比較の前後比較、対照群を伴わない研究
5 症例報告、ケースシリーズ
6 専門家個人の意見(専門家委員会報告を含む)

4 管理会計・経営における実験研究


実験的手法は,管理会計の研究でも実際に使われている

  • 実際の企業の中で制度をランダムに変えてみるフィールド実験
  • 参加者を集めて統制された環境で行う実験室実験

ここでは,それぞれの代表的な研究を紹介する

ここからは,実験的手法が管理会計の研究で実際にどう使われているかを,具体的な論文を取り上げて紹介します。前半は企業の中で行われたフィールド実験,後半は実験室実験です。細かい数字を覚える必要はなく,「こういうことが実験でわかるのか」という感覚をつかんでもらえれば十分です。

4.1 チームボーナスの効果

  • ドイツのベーカリーチェーン193店舗のうち,ランダムに選ばれた97店舗だけにチームボーナスを導入 (Friebel, Heinz, Krueger, and Zubanov 2017)
  • ボーナスを導入した店舗では,売上と顧客対応数が約3%増加
    • ボーナスに使った1ドルあたり,3.80ドルの売上と2.10ドルの利益が生まれた
  • 店舗をランダムに割り振っているので,この差は「ボーナスの効果」だと解釈できる

治験とまったく同じ発想を,企業の報酬制度にあてはめた例です。半分の店舗だけにボーナスを導入し,残りの店舗と比較しています。ランダム割り付けのおかげで,売上の差をボーナスの因果効果として解釈できる点がポイントです。

4.2 会計情報とボーナスの組み合わせ

  • ドイツのスーパーマーケット362店舗を2×2の4グループにランダムに分けた実験 (Manthei, Sliwka, and Vogelsang 2023)
    • 利益に関する情報提供の有無 × 利益に連動したボーナスの有無
  • 情報提供だけでも,ボーナスだけでも店舗利益は増加した
    • 情報提供はほとんどコストがかからないので,かけたコストに対する効果はとても大きい
  • ただし,両方を組み合わせても,効果は単純な足し算(情報提供の効果+ボーナスの効果)にはならなかった
    • どちらも「店長の目を利益に向けさせる」という同じ働きをするため,一方の効果がもう一方の効果を弱めてしまう

管理会計の2つの機能である意思決定支援(情報提供)と業績評価(ボーナス)を,同じ企業の中で同時に検証した実験です。組み合わせれば効果が倍増しそうに思えますが,実際にはそうなりませんでした。施策どうしの相互作用まで検証できるのは,2×2でランダムに割り付けた実験ならではです。

4.3 トップからのメッセージ(例4の研究)

  • ブラジルの直販組織の代理店20拠点を,ランダムに2グループに分けた (Cronin et al. 2021)
  • 処置群だけに,「失敗は学習の自然な一部」と伝える地域責任者のビデオメッセージを週次の販売会議で配信
  • 折からの経済環境の悪化にもかかわらず,処置群の販売員は努力を継続し,販売手数料が約14%増加した
    • 仕事に対する自信が高まり,「失敗してもやり続ける」という規範が強まったため

例4で触れた研究の中身です。メッセージの内容だけを変えて,あとの条件はそろえる。トップのちょっとした言葉がけが現場の業績に影響することを,因果関係として示した研究です。

4.4 働きかけの効果と副作用

  • 東欧の小売チェーン238店舗で,CEOがランダムに選んだ店舗の店長にだけ「できる限りのことをして離職を減らしてほしい」と手紙を送った (Friebel, Heinz, and Zubanov 2022)
  • 手紙を受け取った店舗では,離職率が2割〜2割5分低下した
  • 一方で,売上は増えなかった
    • 店長が人事対応に時間を使うようになった分,接客にかける時間が減っていた
  • 介入に思わぬトレードオフが伴うことも,実験だとはっきり見える

お願いの手紙を送っただけで離職率が下がるのは驚きですが,その裏で接客時間が減っていた,というところまで見えるのがこの実験の面白いところです。何かを頑張らせると別の何かが犠牲になるという問題は,業績管理を考えるうえでも重要なテーマです。

4.5 ボーナス契約かペナルティ契約か

  • 「目標を達成したら150ポイント支給」(ボーナス)と「未達なら150ポイント没収」(ペナルティ)は,金銭的にはまったく同じ契約 (Christ, Sedatole, and Towry 2012)
  • 実験参加者を上司役と部下役に分け,契約の表現(フレーム)だけをランダムに変えた
  • 契約の対象になっていない仕事への努力は,ボーナス契約のほうが大きかった
    • ペナルティ契約は「信頼されていない」というシグナルとして受け取られ,部下役の信頼を損なうため

ここからは実験室実験の研究です。フィールド実験と違い,状況を完全にコントロールできるので,心理的なメカニズムまで踏み込んで検証できます。経済学的にはまったく同じ契約でも,「もらえる」と「取り上げられる」では受け取り方が違います。信頼という心理的なメカニズムまで測定して検証できるのは,実験室実験ならではです。

4.6 業績情報のまとめ方

  • バランスト・スコアカード(BSC)は,多数の業績指標を「財務」「顧客」など4つのカテゴリに整理して提示する (Lipe and Salterio 2002)
  • 同じ指標を「カテゴリに整理して見せる」か「整理せずに並べて見せる」かだけをランダムに変えて,管理者役の業績評価を比較した
  • 例えば,良い指標と悪い指標がきれいに別々のカテゴリに分かれている部門を評価する場合,カテゴリ整理された形式だと,優秀な部門とダメな部門の評価の差が小さくなってしまった
    • 評価者が「カテゴリ単位」でまとめて判断してしまい,個々の指標の違いが埋もれてしまうため
  • 情報の中身が同じでも,見せ方そのものが判断を変える

情報の中身が同じでも見せ方で判断が変わるなら,管理会計の担当者は報告書のデザインにも責任を持つ必要がある,ということになります。

4.7 表とグラフ,どちらで見せるか

  • 同じ原価データ(活動基準原価計算による顧客収益性報告書)を,「表」か「グラフ」のどちらかの形式でランダムに提示した (Cardinaels 2008)
  • 参加者は報告書をもとに,顧客ごとの価格と営業資源の配分を決めて利益を競う
  • 原価計算の知識が低い人は,グラフで見たほうが高い利益を上げた
  • 逆に,知識が高い人は,表で見たほうが高い利益を上げた
    • グラフは初心者の認知的な負担を減らす一方,細部を分析したい熟練者にはかえって不向きになる

「グラフはわかりやすいから常に良い」とは限らない,という研究です。利用者の知識レベルによって,最適な見せ方が逆転するところが面白いポイントです。今回の課題のシナリオ(フォーマット×会計知識)は,この研究の設計をもとにしています。

5 実験におけるデータ分析例

5.1 データ

Rにサンプルデータとして入っているheadacheデータを使用

ある製薬会社が片頭痛患者を対象に3種類の治療法を試験した。実験には72人の参加者が登録された。その目的は、片頭痛エピソードに関連する痛みのスコアを下げる新しいクラスの治療法の可能性を調べることである。

参加者は男性36名、女性36名である。男性と女性はさらに(等しく)片頭痛のリスクが低いか高いかに細分化された。

以下の変数を含む:

gender性別: 「男性」と「女性」;

riskリスク: 低 “と”高”

treatment治療の種類:3つのカテゴリーがある: X”、“Y”、“Z”の3つのカテゴリーがある。


Code
data("headache")
headache

Code
data("headache")
headache <- headache |>
  filter(treatment != "Y") |>
  mutate(treatment = as.character(treatment), treatment = factor(treatment))
1
treatmentはもともとfactor型の変数。filterでYを落とすだけだと,サンプルサイズ0のYが残ってしまう。

分析例を簡単にするため,treatment Yを落とした。なので,Xを治療なし,Zを薬による治療と解釈して話を進める


5.2 記述統計量

記述統計を見ると,gender(男女)とrisk(高い低い)は各条件に均等に配分されている

  • 単純な比較でも有意な差がある
Code
datasummary_balance(
  pain_score + gender + risk ~
    treatment,
  dinm_statistic = "p.value",
  data = headache
)
X (N=24) Z (N=24)
Mean Std. Dev. Mean Std. Dev. Diff. in Means p
pain_score 80.5 8.6 76.2 5.9 -4.2 0.054
N Pct. N Pct.
gender male 12 50.0 12 50.0
female 12 50.0 12 50.0
risk high 12 50.0 12 50.0
low 12 50.0 12 50.0

Code
ggplot(data = headache, aes(x = treatment, y = pain_score)) +
  geom_boxplot() +
  theme_classic()

5.3 分析方法(分散分析)

主な分析は分散分析(ANOVA)Anova(lm(結果 ~ 要因, data = データ名))コマンドで実行可能

(僕は二重括弧が嫌いなので以下のように分けます)

Code
a <- lm(pain_score ~ treatment, data = headache) |>
  Anova()
a

仮説検定での帰無仮説は治療の効果はない。治療の違いの効果は10%水準で有意(\(F_{1,46}\) =3.9455861, p = 0.0529712 ; 水準を10%としたら,関係ないと言う帰無仮説は棄却される)


ANOVAの原理はダミー変数を使った回帰分析と一緒。なので以下のような単回帰分析をしても同じ

Code
lm(pain_score ~ treatment, data = headache) |>
  summary()

Call:
lm(formula = pain_score ~ treatment, data = headache)

Residuals:
   Min     1Q Median     3Q    Max 
-12.09  -5.62  -1.17   4.40  19.55 

Coefficients:
            Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)    
(Intercept)    80.45       1.50   53.62   <2e-16 ***
treatmentZ     -4.22       2.12   -1.99    0.053 .  
---
Signif. codes:  0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1

Residual standard error: 7.35 on 46 degrees of freedom
Multiple R-squared:  0.079, Adjusted R-squared:  0.059 
F-statistic: 3.95 on 1 and 46 DF,  p-value: 0.053

5.3.1 リスクを含めた分析

更に,性別やそもそもの頭痛リスクを踏まえた分析をしてみる

Code
a <- lm(pain_score ~ treatment * risk, data = headache) |>
  Anova()
a
  • 治療の効果は5%水準で有意に\(F_{1,44}\) =6.7411048, p = 0.0127603 )
  • リスクも有意。リスクが高い人は頭痛度合いが強い\(F_{1,44}\) =34.0188888, p = 5.9438308^{-7} )
  • 効果は似た感じ(交互作用はない)\(F_{1,44}\) =0.5729375, p = 0.4531283 )

また,ggline()コマンドを使うと,効果を図に表せる

Code
ggline(
  data = headache,
  x = "treatment",
  y = "pain_score",
  color = "risk",
  add = c("mean")
) +
  theme_classic()


5.3.2 性別を含めた分析

男女で効き目が違うか

Code
a <- lm(pain_score ~ treatment * gender, data = headache) |>
  Anova()
a

男性の方が効果が大きい。ただし交互作用が有意とまではいかない\(F_{1,44}\) =2.4391955, p = 0.1255015 )


Code
ggline(
  data = headache,
  x = "treatment",
  y = "pain_score",
  color = "gender",
  add = c("mean")
) +
  theme_classic()


5.3.3 3要因を含んだ分析

Code
lm(pain_score ~ treatment + risk + gender, data = headache) |>
  Anova()

treatment, gender, riskはそれぞれ頭痛の度合いと有意に関係


Code
lm(pain_score ~ treatment * risk * gender, data = headache) |>
  Anova()

treatmentriskgenderの3要因に交互作用

  • これがどう言う意味かというと…次のページの図から,「男性で,尚且つリスクが高い人」にとって,治療Zは効果がある

Code
int <- interaction.ABC.plot(
  data = headache,
  response = pain_score,
  x.factor = treatment,
  groups.factor = gender,
  trace.factor = risk
) +
  theme_classic()
1
3要素の図表はinteraction.ABC.plot (daeパッケージ)を使うと比較的簡単にかける


回帰分析の結果を並べるとこんな感じ

Code
list(
  m1 <- lm(pain_score ~ treatment, data = headache),
  m2 <- lm(pain_score ~ treatment + gender, data = headache),
  m3 <- lm(pain_score ~ treatment * gender, data = headache),
  m4 <- lm(pain_score ~ treatment + risk, data = headache),
  m5 <- lm(pain_score ~ treatment * risk, data = headache),
  m6 <- lm(pain_score ~ treatment + gender + risk, data = headache),
  m7 <- lm(pain_score ~ treatment * gender * risk, data = headache)
) |>
  msummary(
    models = _,
    stars = TRUE,
    gof_omit = "Log.Lik.|AIC|BIC|RMSE|F",
    statistic = NULL
  )
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
+ p < 0.1, * p < 0.05, ** p < 0.01, *** p < 0.001
(Intercept) 80.453*** 82.839*** 84.395*** 85.188*** 85.802*** 87.574*** 92.739***
treatmentZ -4.215+ -4.215* -7.327* -4.215* -5.444* -4.215** -13.058***
genderfemale -4.773* -7.885** -4.773** -13.874***
treatmentZ × genderfemale 6.224 15.228***
risklow -9.469*** -10.698*** -9.469*** -16.687***
treatmentZ × risklow 2.458 11.462**
genderfemale × risklow 11.978**
treatmentZ × genderfemale × risklow -18.009***
Num.Obs. 48 48 48 48 48 48 48
R2 0.079 0.180 0.223 0.478 0.484 0.579 0.729
R2 Adj. 0.059 0.144 0.170 0.454 0.449 0.550 0.681

6 まとめ


  • 実験研究の特徴と具体的な分散方法について扱いました。
  • 実験は,厳密な因果関係の推論ができる反面,社会調査において実験できる機会や状況は限られている
  • 実験では主に分散分析が使われるけれど,本質は回帰分析と同じ

7 課題


ハンバーガー統計学を参考に作成

  • ある企業では,店舗の業績測定・フィードバック方法が複雑すぎると考えています。そこで,現在の業績指標フォーマットの情報を厳選し,シンプルなフォーマットを作成しました。
    • シンプルになったので,各店舗の店長は情報をより上手く読み取り,店舗管理に利用できると考えられます。
    • 一方で,情報量自体は減っているので,必ずしも店舗管理にプラスの影響を与えるとは限らないという意見もあります。
  • この効果を調べるために,店舗(店長)をランダムに2グループに分け,ある店舗では従来のフォーマットを,別の店舗では新しいフォーマットを使うようにしてもらいました。
    • 店舗業績のうち,特に店長の判断が影響しそうな部分を取り出し,エリアマネージャーたちに店長の意思決定の巧拙を10段階で評価してもらいました。
  • 店長の会計知識について事前にテストをしていたため,そのデータを合わせて利用します。
    • 中央値で分けて「会計知識高」と「会計知識低」としました。
統制群 新フォーマット群
会計知識高 7, 8, 6, 8, 10, 7, 8, 8, 9, 7 8, 9, 10, 10, 8, 8, 9, 7, 10, 8
会計知識低 4, 6, 5, 4, 3, 7, 5, 6, 4, 5 8, 7, 8, 6, 9, 7, 8, 8, 10, 8

(1) この検定での帰無仮説を言いなさい。

(2) この検定での対立仮説を言いなさい。

(3) 4つの条件におけるそれぞれの平均と標準偏差を計算しなさい(コードと結果)。

(4) 分散分析を行いなさい(コード)。

(5) 有意水準を1%としたとき、この分散分析表から言えることを書きなさい。

(6) 以上の検定の結果を、わかりやすいことばで説明しなさい。

次ページにデータ作成用コマンドがあります。


データ作成

Code
score <- c(
  7, 8, 6, 8, 10, 7, 8, 8, 9, 7,
  8, 9, 10, 10, 8, 8, 9, 7, 10, 8,
  4, 6, 5, 4, 3, 7, 5, 6, 4, 5,
  8, 7, 8, 6, 9, 7, 8, 8, 10, 8
  )
knowledge <- c(
  1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1,
  1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1,
  0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0,
  0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0
  )
format <-c(
  0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0,
  1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1,
  0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0,
  1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1)

kadai <- tibble(score, knowledge, format) |>
  mutate(knowledge = factor(knowledge,
    levels = c(1, 0),
    labels = c("high", "low")),
    format = factor(format,
    levels = c(1, 0),
    labels = c("new", "normal")))

参考文献

Cardinaels, E. 2008. The interplay between cost accounting knowledge and presentation formats in cost-based decision-making. Accounting, Organizations and Society 33 (6): 582602.
Christ, M. H., K. L. Sedatole, and K. L. Towry. 2012. Sticks and carrots: The effect of contract frame on effort in incomplete contracts. The Accounting Review 87 (6): 1913–1938.
Cronin, M., D. H. Erkens, J. D. Schloetzer, and C. H. Tinsley. 2021. How controlling failure perceptions affects performance: Evidence from a field experiment. The Accounting Review 96 (2): 205–230.
Friebel, G., M. Heinz, M. Krueger, and N. Zubanov. 2017. Team incentives and performance: Evidence from a retail chain. American Economic Review 107 (8): 2168–2203.
Friebel, G., M. Heinz, and N. Zubanov. 2022. Middle managers, personnel turnover, and performance: A long-term field experiment in a retail chain. Management Science 68 (1): 211–229.
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